ヤッパリダメだったんです
さて、最後に。
出会い系サイトの男女交際サークルの取材を終えた僕は、知り合いの風俗ライターにことの顛末を話した。
氏は安ければどこへでも足を運ぶという無料出会い系サイト渡り鳥。
業界ではつとにその名を知られる人物である。
すると意外な答えが返ってきた。
「君、あの出会い系サイトの男女交際サークルにはもう一度行ってみるべきだぞ」
「え?もう1度・・・・・・」
こまだ僕の会員期限は切れていなかった。
しかし、あの出会い系サイトの男女交際サークルはそんなによいところなのだろうか?
兄者は自信満々に語るのである。
「バカだな。あそこはある芥川賞作家も修業時代にナンパに励んだっていうし、第一あそこの主宰者の息子は会員の女の子と結婚したという話だぜ」
そういえば「出会い系サイトの男女交際サークル」、実は月一回のペースでカラオケパーティも開催しているらしい。
七千円の会費を払えば、パーテイに参加でき、追加で二人指名できるとか。
「どんなところか覗いてみるのもいいんじゃないの? ヒヒヒ……」
「え~ホントですかア……」
半信半疑だったが、なにしろ芥川賞である。
電話で場所と時間を確認して僕はとりあえず、会場へ向かった。
夕方六時。
そこは、とあるさびれたカラオケハウスだった。
僕は少し遅れて行ったが、既に部屋は満杯だった。
本来なら五、六人くらいしか入れない部屋なのに十人以上が詰め込まれているのだ。
男女の比率は半々。男性は八百屋とか町工場の連中ばかりだ。
「夜霧のブルース」、「兄弟舟」、青い山脈∵…‥
と山日も壮烈で、会場はもはや中小企業の忘年会状態と化していた。
一方、女性はといえば、ショッキングピンクのスーツに身を包んだゴリラのような六十歳の老婆、ツギハギだらけの服を着、目が左右にズレたロングヘアの女子学生、ジャングル黒べえソックリな四十代のオバサン……。
一体どこからこんな面白い顔の人間を見つけてきたんだろうか? と思えるぐらい、すさまじい。
誤解のないように言っておくが、途中で二、三名、若くて綺一麗な女性もやって来た。
しかし十分もしないうちに会のあまりのディープな雰囲気に圧倒されたらしい。
いずれも逃げるようにすっ飛んで帰ってゆくのだった。
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